Remix 秋田市、街こわしの歴史のハナシ。

Remixとついているのは以前書いたブログやSNSの投稿をまとめたものだからです。

秋田市は街づくりではなく「街壊し」の歴史を続けることで、全国トップレベルのスカスカな県庁所在地となったわけだけど、それがよく分かる地図がこちら。東北6県の比較。

秋田市「街壊し」の歴史

秋田市はあきらかに街が分散してしまっている。
駅から県庁も市役所も遠い。ゆえに商業の中心や歓楽街や交通の結節点といった街の要素がそれぞれ離れてしまってる。

データ上では人口20万人以上の130市区で市街地(DID)の人口密度は112位だそう(秋田魁新報調べ)
秋田以下の県庁所在地は富山市のみ。
LRTやシェアサイクルなど様々な取り組みをして街なかに人を呼ぶこむ工夫をしている富山の方が明らかに賑わって見えるし、県庁所在地ではないですが人口規模が近く順位が秋田市以下の旭川市も駅直結のイオンがあったり、以前ほどではないにしろ買物公園は秋田市中心部の商店街より賑わって見える。
なぜ、秋田市はスカスカに見えてしまうのか?

街の西側がイマイチなので県庁市役所を当時の田んぼの真ん中に移転して街を薄め、40万都市を夢見て、郊外(この地図のはるか右下遠く)に新都市の御所野を作ってしまった。
80年代にこれらを貫くモノレールの計画があったけど、せめてそこに交通の軸が通せていれば違ったかもしれない。
とにかく、街を広げれば、広げた分、全体が発展するとでも思ってたようで、せっかくの街を薄めてしまったのだ。本来、街は集積なのに。

当時は先進的な取り組みだったと思う。
全国に誇れるような立派な官庁街が出来たことは良かった。
さらに西側に工業団地も成立して、街ができることを祝う大々的な博覧会も開催されてくらいだもの。
でも、今となってはちょっと勿体なかったかもしれない…

人口減少下になっても、いや近年でも「県土の均衡なる発展」というピンボケな地方議員がいることでも分かるように県立大学のキャンパスもたいして人数もいないのに各地域に配慮して分散している。
もう発展なんかしないんだってば。
県庁が移転した頃と同じくらいの人口にあと数年でなってしまうわけだけど、同じ人数・より高齢化が進んだ中で薄く拡がってしまった街の維持は大変。除雪だって追いつかないよ、そりゃあ。
今ある、人が住んでいる地区を守るだけでも精一杯なはずなのに、これから「街づくりモデル地区」とやらで新しい開発しちゃって本当にいいの?

そんな訳で、都市内だけでなく、県内においてもコンパクトに集約するということが出来ないのだ。

秋田市中心市街地。県庁所在地で最もスカスカ。(※個人の感想です)

細かく見ていくと、中心部衰退の痛恨の一撃となった日赤病院の移転にしても、せめてバイパスである横山金足線の西側に作っていれば街と繋がったり、高齢化時代を見据えてアクセス用の新駅を作れる可能性すらあったのに、まんまと東側に作ってしまって実に勿体ないことをしているのだ。

これは南ヶ丘のニュータウンにくっつけたかったのだろうけど、そもそもの開発の失敗も含めてなぜやってしまったのか…という感じだ。
郊外立地で高速からも近い地域の拠点病院ってことなら、すでにある大学病院をそういう位置付けにする手もあったわけだし。
個別の事情はあるにしろ、街づくりを俯瞰的に見て、長期的な視点で考える人がいなかったのだろうか?

いずれにしても「用事があって行く人が多い施設」を街なかから移動させてしまうと、街が衰退するのは当然のこと。
逆に言うと「用事があって来る人が多い」から街が出来る。街とは本来集約であるはずなのに秋田は分散・拡散させてしまった。

過ぎたことはしょうがない。市役所も近年建て替えてしまったし。あれを移転出来ていたら…
でも、これからのことは今からでも変えられるはずなんです。

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